コンサルタントの費用対効果を考える
以前のコンサルタントコラムでは、
『コンサルタントの価格』に関する当社なりの考察をご紹介させて頂きましたが、
今回は、そのコンサルタントが利用者様に与える
『費用対効果』について、一般的な考察をご紹介します。
まず、コンサルタントを雇ってみようか?
と考える企業が真っ先に考えるのが「費用対効果」。
当社に寄せられるお問合せでも、
圧倒的に、この部分に対する関心が高いと実感します。
例えば、予算のない病医院ならそれなりの範囲で。
しっかり予算を取っている病医院でも、
それに見合う中身としての成果を求めていらっしゃいます。
それでは、この「費用」に対する「効果」って、計測できるの?
しっかり金額として換算できるの?
今回はそんなテーマを考察してみました。
【費用対効果 その① = 人件費換算】
最も分かりやすい例が
「同じ業務を病医院内の人間で行った場合、
どの位のコストになるか」という考え方です。
よくある例として、人材派遣の費用や、
プログラマーの開発費用は、
人月換算で一人当たりいくら、と
ある程度相場が決まっています。
しかしコンサルタントの場合、フルタイムで常駐する場合はまれで、
普通は月に何日か訪問して、プロジェクトの支援や
事業計画の作成や、経営者の相談・アドバイスに従事することがほとんどです。
すると、なかなか人材派遣やプログラマの費用のように、
明確に算定が難しいですね。
また、病医院内の人間ではできない、
特殊な、専門特化した仕事なので、
コンサルタントに依頼するというケースも多いでしょう。
そうすると、月額いくらという金額と同時に、
1日当たりの費用という尺度で見ていく必要があります。
あるコンサルタント会社の実際例を見ますと、
最も安い場合で月額10万円程度、
ある程度日数や作業工程をかけるもので
月額100万円程度、という幅がボリュームゾーンになっているようです。
それでは10万円が絶対的に安くて、
100万円が絶対的に高いか、というとそうではなく、
利用者側の病医院内での人件費に換算すると
10万円でも高い場合もあれば、
100万円でも安いというケースもよくあります。
病医院内での人件費に換算して、同額以上なら「高い」、
同額から1/2なら「普通」、1/3以下なら「買い!」との結論に達することでしょう。
【費用対効果 その② = 期待利益】
より成果や本質を求めるなら、
コンサルタントによってもたらされるであろう
「期待利益」を基準に考えるのもひとつの考え方です。
ただし、その利益や売上をもたらすのは
100%コンサルタントでなく、
通常は病医院内活動との共同作業になります。
ですので、その「期待利益」の何パーセントが
コンサルタントの役割だろうか、と判断して、
基準にしてみる必要があります。
例えば、年間2.5億円の売上を見込む
新サービスのプロジェクトで、期待利益が40%の1億円、
プロジェクトの中心で推進するコンサルタントの
貢献度を1/4とすると、貢献利益が2500万円。
その1/2を原価と考えれば、1250万円。
もう少しシビアに達成率を80%と見込めば、
1000万円。これがコンサルタントへの予算となります。
【費用対効果例 その③ = 教育投資効果】
コンサルタントによって、
病医院内のメンバーに対する教育効果が発揮されるケースはよくあります。
▶ 社内のモチベーションが上がった
▶ 社員の提案能力が向上した
などといった副産物がもたらされることもあります。
また、どちらかと言えば、成果と同様に、
教育効果をそもそもの目的として始まるコンサルティングも少なくありません。
例えば、顧問の税理士や経理・税務責任者が
うまく機能していない組織で、
月に1回、外部のコンサルタントが訪問して指導し、
進捗チェックするだけでも、
正職員や担当セクションに対してのOJTを補完するような
高い教育効果を発揮する例もあります。
このような場合は、職員一人当たりの教育コストと捉えてみて、
平均人件費600万円の5%を教育投資と仮定して30万円。
メンバー10名と換算して、300万円。
期待利益も考慮しその1/2を投資額と捉えて150万円。
1回当たり15万円のコンサルティングミーティングを
10回実施できる計算になります。
【費用対効果例 その④ = イノベーション効果 】
コンサルティングを受けることによって、
思わぬアイデアが出たり、気づきが生まれたり、
画期的な発想がもたらされることがあります。
こういったイノベーションを受けるケースは、
すぐに実行できるという意味からも
比較的規模の小さい病医院の経営者が多いと思います。
この効果を数値化することは難しく、
極端にいえば、1500円の本からでも
1500万円に相当するアイデアを思いつくこともあるでしょう。
この場合は、ちょっと乱暴な言い方ですが、
実際に会ってアドバイスを受けたときの
「直感」で判断するのもひとつの方法です。
例えば、あるコンサルタントに新規事業のアドバイスを受けるために
面談してみる。コンサルタントとの会話の中で、
ヒントになること、実際にできそうなアイデアをもらう。
コンサルタントがもたらしてくれそうなイノベーションの価値を
独自に査定してみては如何でしょうか。
以上、ちょっといろんな角度から考察してみました。
やや例えに、無理があったかもしれませんが、
物事にはいろんな考え方ができる、という意味で読んでいただければ幸いです。
当社でも一時、一般的な「日数積み上げ型」の見積りを
採用してきましたが、ご利用者様の立場でのいろんな角度から、
自社のコンサルティングの「費用対効果」を考えながら、
価格の在り方についてもご提示させて頂いておりますので、
コンサルティングのご利用を検討なされる場合には、
比較対象の一社としてお声かけくださいませ。